合格発表

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校舎屋上からの風景

校舎屋上からの風景

入学を許されてから、初めに行われたのが学校内の教室の案内からだった。最初、校舎内は迷路のように感じたが、慣れてきたら簡単な配置だった。

まず校舎の形は、上から見ると、南を上にした英語のEの字に似ており、東の事を英語ではイーストと言うので、その頭文字からこのデザインを考えたのかなと、私は只単純に考えてみたりもした。Eの字の上から、二年生校舎、真ん中が三年生校舎、下が一学年校舎となり、縦の線が各科目の専用教室等になっていた。

三階建ての上は屋上になっており、放課後友達とそこに登ってみる事にした。屋上のドアを開けると、清々しい風が顔に当たって気持ちが良かった。北側には東北本線があり、時々黒い煙を出した汽車が走っていた。東側には東岳が悠然と見え、南側には里山と、その奥にはハ甲田がまだ残雪を残して見えていた。西側には市街地と、そのはるか向こうには岩木山が見える。下を見ながら三百六十度ぐるりと見回すと、田んぼに囲まれた、三階建ての鉄筋コンクリート建ての校舎であった。

それから四十年経ってから東高校へ行って見た。何もかもが変わっていた。周りには住宅が立ち並び、道路も舗装されて田んぼ一枚も残っていなかった。校舎も近代的になり、私達のあの記憶に残っている校舎には、竜宮城と同じで、もう二度と行けない物になってしまっていた。(文と絵:張山喜隆)