開催にあたって

九年前の二〇一一年(平成二三年)三月十一日十四時四六分、三陸沖でマグニチュード(M)九.0の東北地方太平洋沖地震が発生し、宮城県栗原市で震度七,宮城県、福島県、茨城県、栃木県の四県三十七市町村で震度六強を観測し、東日本を中心に北海道から九州地方にかけての広い範囲で震度六弱から一を観測しました。

青森県では、八戸市、東北町、おいらせ町、東通村、五戸町、階上町で震度五強を観測し、他の市町村でも震度五弱から三を観測しました。

この地震により、東北地方太平洋沿岸を始め全国の沿岸で津波が観測され、福島県相馬で九.三m以上、宮城県石巻市鮎川で八、六以上など、東日本の太平洋沿岸を中心に高い津波が発生しました。

また、福島県では津波による冠水で停電、東京電力福島第一原発四基が爆発し、その結果、地震と津波、火災、原発事故により甚大な被害発生し、警察庁によると二〇二〇年(令和二年)一二月一〇日現在、死者一五、八八九人、行方不明者二、五二七人、復興庁発表で関連死三、七六七人、避難者四二、四一五人、建物全壊一二一、九九五個の被害状況となっています。

とくに、震災と原発爆発のダブルパンチの被害を受けた福島県の被害は深刻で、いまだ放射能汚染により、立入禁止区域が存在し、故郷に帰還できない人々が存在し、避難者の七割は福島県民です。

災害は忘れた頃にやって来ると言われており、今後三〇年以内に太平洋沿岸で大地震が発生するとの予測も出される中、東日本大震災を風化させず語り継ぎ、復興途上にある人々に思いを寄せることを願い、被害市町村から当時と一〇年目の写真一組を提供して頂き、今年も写真展を開催致しました。

二〇二一年二月九日

青森まちかど歴史の庵「奏海」の会