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開催のごあいさつ

災害は忘れたころにやってくると言われますが、近年の異常天候を見る時、66年前の9月26日夜、台風15号によって本州と北海道を繋ぎ、物流の役割を果たしていた青函連絡船5隻が遭難沈没し、1,430名もの人命を奪った悲劇を忘れることはできません。

この事故は、世界最悪の海難事故と言われるタイタニック号事故に匹敵すると言われ、青函トンネル建設の契機になった遭難事故ですが、青函トンネルが開通し、青函連絡船が廃止された現在、「日本史上最悪の洞爺丸遭難事故」を知らない人たちが増える中、改めて災害・海難事事故の恐ろしさ、悲惨さを知っていただき、今後への警鐘となることを願って、今年も写真展を開催いたしました。

台風十五号が来襲して、直撃を避けるため出港を取り止めた中で、一時、函館上空が晴れ、薄日が差したため、台風の目に入ったと勘違いした洞爺丸(乗客・乗員1, 314名)は、乗客を載せ出港しましたが、港外に出たとたん波浪が荒く、錨を投下したものの走錨、波高も約六メートルにも達し、船内に浸水して沈没、乗客1,041名、乗組員73名、その他41名、計1,155名が犠牲となりました。

また、函館湾内に退避していた十勝丸、日高丸、北見丸、第十一青函丸も沈没し、乗組員275名が犠牲となり、日本史上最悪の海難事故となりました。

そのため、事故の原因と責任を巡って海難審判所で争われました。洞爺丸遭難事故は、その後の青函連絡船や船舶の運行に、多くの教訓を残し船舶の構造や運行に改善をもたらし、特に、青函トンネル建設に大きな影響を与えました。

今回の展示を機会に、改めて犠牲者のご冥福と災害の恐ろしさ、「洞爺丸遭難事故」が残した教訓を思い起こし、語り継がれることを願うものです。

展示風景1

展示風景1

展示風景2

展示風景2

展示風景3

展示風景3

展示風景4

展示風景4