温故知新
30数年に亘る青森空襲を記録する会の活動の中で集まった、戦前の絵はがきを活用して2013年1月に「絵葉書でたどる青森市の百年 青森今昔物語」を発行したところ、市民から大きな反響を頂きました。
とくに、1625年(寛永2年)に森山弥七郎が青森を開港して以来、4百年の歴史を積み重ね、明治に入り交通の要衝として急速に発展し、先人たちが東北一の街を目指した青森をつくりあげた歴史を知って頂きたいと思い、集まった空襲以外の青森市の写真、絵葉書、地図、文書、生活用品などの資料展示を計画していたところ、手ごろな場所が見つかり、市民から無償で展示用ガラスケースの提供や費用の提供まで頂き、2013年8月に今後の青森の街づくりに役立つことを願って、「青森まちかど歴史の庵 奏海」の開設をしました。
最初は、明治大火で焼失した青森の建物を「青森実地明細絵図」(明治25年発行)から複写して展示したところ多くの情報が寄せられ、「青森実地明細絵図」の実物が近所で見つかりびっくりしました。
これをきっかけに、写真や絵葉書、切手などいろいろな蒐集活動を行っている人たちが集まり、2014年1月に青森まちかど歴史の庵「奏海─かなみ─」の会を立ち上げました。
活動の中心は、これまで「青森古写真研究所」を設置して活動していた相馬信吉氏で、戦後の青森市を撮り続けてきた藤巻健二さんの写真を整理しており、ホームページを開設し、幅広い活動を行っており、毎月一回の定例会を仕切って頂いています。
そして、多くの人達と出会い、資料や蔵書などの寄贈を頂き、「奏海」は活動を続けていますが、課題は「維持管理」と「資料蒐集と調査」のための費用確保です。
青森市が歴史資料館・博物館を設置した場合、全てを寄贈したいと考えていますが、柔軟な発想で活動を続けることができるか心配です。
しかし、「奏海」は活動を続けます。元気で活力のある青森市をつくるため、「故きを温ねて新しきを知る」の諺を忘れず、地道に活動を続けます。
お知らせ
シンポジウム「地震にそなえる」開催のお知らせ
2024年1月19日 催事のお知らせ
プログラム(予定) 1.基調講演「地震の仕組み」川村真一(青森県地学研究会副会長)60分 2.発表 ・「地震と原子力発電所」今村修(奏海の会)20分 ・「十勝沖地震の体験」柿崎孝治(奏海の会)20分 ・「地震時の避難行動 …
「八甲田雪中行軍写真展」開催のお知らせ
2024年1月11日 催事のお知らせ
明治35年1月23日、 一泊二日の予定で出発した5連隊の雪中行軍は、悪天候の中で遭難し199名もの犠牲者を出しましたが、 その原因と責任は明らかにされなかった。 一方、弘前隊は同じ道をたどり、青森にたどり着 …
故・中村哲医師写真展
2023年12月4日 催事のお知らせ
2019年12月4日、アフガニスタンで人道支援活動を続けていた中村哲医師が、凶弾に倒れましたが志は引き継がれ、タリバン政権への交代はありましたが、事業は継続されています。 しかし、温暖化で現地の干ばつは増々ひどくなり、ま …
生誕120周年記念講演会「棟方志功と民藝」開催のお知らせ
2023年9月21日 催事のお知らせ
生誕120周年記念講演会「棟方志功と民藝」 講師:會田秀明(青森県民藝協会 会長) 2023年10月29日(日)15時~16時30分 会場:青森市松原市民館 プログラム(予定) 1.講演会(1時間) 2.意見交換会(30 …
ブログ
青森県民話のデジタル化
2024年3月14日 会員の社会活動
昭和50〜60年代に、青森県の昔話とわらべ唄をきく会が主催し、県内の話者の参加を得て、きく会を30回以上開催したようだ。 今回、青森市会田家から、当時会田さんがカセットテープに録音したものが20数本見つかった。その音源 …
シンポジウム「地震にそなえる」実施報告
2024年3月13日 イベント
2024年3月9日(土)午後、青森市油川市民センターを会場に実施した、標記のシンポジウムは、30名以上の参加を得て、盛況の内に終了しました。地元油川地区の皆様をはじめ、地震に関心をお持ちの市民にご参加いただき、感謝です …
青森県民俗資料紹介2 ダテゲラ
2024年3月5日 青森県民俗資料紹介
雪解けのころになると、北国では待ちかねたように人々の動きが活発になる。本格的な農作業も始まる。冬籠りに使用したものの後片付けをし、春の生活の準備をする。雪に閉ざされ交通が隔絶していた農村では、必要なものを求めて町に出掛 …
青森県民俗資料紹介1 えんぶり烏帽子
2024年3月1日 青森県民俗資料紹介
♪えぶり摺りの藤九郎が参って候 前田千刈後ろ田千刈 合わせて二千刈の御田の大水口からスッポリコと植えて申したりやい・・・・ 〝えんぶり”の威勢よい詞が、家の門口にいて、八戸地方に春を呼ぶ。太夫の独特な衣装と烏帽子が〝 …
「八甲田山雪中行軍の明・暗ー町の人物伝ー生還の加賀竹松二等卒」藤田友志
2024年1月15日 会員の社会活動
(一) はじめに 八甲田山雪中行軍は、二百十名中百九十九名凍死の〝凄惨な大遭難事件”の印象が格別強い。 しかし、それは陸軍歩兵第五連隊(青森)のことである。一人の落伍者もなく生還した歩兵第三十一連隊(弘前) は印象が薄い …