最近、国土地理院地図に新機能が加わりました。日本地図に、プロットしたい場所の名称と住所のファイル(CSV形式)をドロップすると、簡単に図を作成してくれるのです。上記の地図がその事例で、4500箇所ほどの青森県内遺跡(20年くらい前の古いデータ)を赤丸で示しています。青森県の平野部は、ほとんど遺跡だらけになりました。
本当に全部の遺跡が表示されているのかを確かめてみました。そうすると、上の地図のように、平内町の遺跡がどういうわけか、根室市にマッピングされていたのです。その他、データを流し込んだにもかかわらず、表示されていない遺跡もたくさんありました。何故、このようなエラーが出るのかは、素人の私にはわかりませんでした。
次に、上の図は背景地図を別なものに変えてみたものです。同じデータを表示させているのに、土地利用図や地形の陰影がついたものなど選んでやると、とてもわかり易くなります。皆さんも、色々と工夫してみてください。背景図を試して見るだけでも、とてもおもしろいですよ。
この図は、青森県内の縄文時代の貝塚だけを4500箇所ほどの遺跡の中から選び出して、それを地図に表示させたものです。太平洋側に多く、日本海側に少ないことが一目瞭然ですね。下図は、同じデータを文字だけの一覧表にしたものですが、地区や地形と貝塚の関係がわかりやすいのは、断然、地図に表示させたものであることがよく分かると思います。
しかし、縄文時代の貝塚がこのように数多く分布していたのには訳があります。当時は、地球温暖化で海水面が5mほど上昇していました。国土地理院地図では海水面上昇のシュミレーション機能が無いようで(私が知らないだけかもしれません)、海水面上昇に伴う内陸部への湖面の拡大を見ることができません。
そこでネットで探してみましたら、ありました!「浸水シミュレーション」テストアプリケーションです。海水面上昇に伴って海水面がどのへんまで浸水していくのか、色々と試行することができます。この図に先の遺跡データを表示することまでは、できないようでした。
時代ごとに、遺跡分布図を作って並べてみると、遺跡の増減や分布の特徴などが、一目瞭然で分かります。どうぞ、あなたも国土地理院地図を活用して、世界に1枚しかない分布図を作ってみてください。(相馬信吉:20190505 投稿)
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