爆撃される野内の石油タンク

爆撃される野内の石油タンク

戦争当時はまだ小学生で、青森市三内沢部に住んでいたのですが、戦争だと聞いてもピンと来ていなかった。

ある日外で遊んでいたら、飛行機が何機も編隊で飛んできたので、子供達がそれに向かって「万歳!万歳!」って叫んで手を振ったのですが、それが敵の飛行機で、野内の石油タンクに爆弾を落としに来たんだって、後から聞いてびっくりした。それまでは日本の飛行機もあんまり飛ばなかったので見た事もなかったので、いっぱい来たから日本の飛行機だと、・・・子供だもの、思ってしまったのさ(子供だから、そう思ってしまった)。

その後野内の石油タンクが爆撃されて、逃げる人にも機関銃を撃たれて何人も亡くなったと大人から聞いて、怖くて怖くて、それからと言うもの、飛行機が来れば隠れるものだと思うようになった。野内の石油タンクから漏れた油が海に流れ込んで、海が何日も真っ赤に燃えて、黒い煙が空さ立ち込めたんだってのー。夜になればこっちからでもずっと見えていたんだど(見えていたそうだ)。敵の飛行機に「万歳!万歳!」って叫んで手を振った事が、子供ながらに大した(凄く)悔やんだものだった。

青森空襲の時は三内の淵辺りから焼夷弾を落とされて、疎開して来た人達も焼け出されて恐ろしかった。そんな焼け出された人達、・・・後どこへ行ったものだったんだべなー(何処へ行ったのでしょうね?)。(絵・聞き書き:張山喜隆/平成29年2月24日)