大星神社近くでの爆撃光景(絵:張山喜隆)

大星神社近くでの爆撃光景(絵:張山喜隆)

その当時私は女学校を卒業したばかりでしたが、役所の人が家に来て、「小学校の先生になってくれ」と頼まれて、別にやる気も無いまま先生をしていました。

そんな時、急に生徒達を雲谷方面に疎開をさせると校長が言いだして、遠足のように歩かせて疎開をしたんですよ。そうしたら名簿みたいな物を学校に取りに行ってくれと校長に言われて、もう一度町まで引き返している途中、丁度、妙見にあった大星神社近くまで来たら、空から雷の雷鳴のような音が聞こえて来て、びっくりして空を見上げたら、ピカピカ光る大きな飛行機が空が見えなくなる位飛んで来て、青森の町の方へ飛んでいたんだよね。そうしたら駅の方を飛んでいた飛行機から、何か爆弾の様なものが落ちたかと恩ったら、それが空中で何個にも分かれた火の玉になって、あっと恩う間もなく火事になってしまった。それなのにその飛行機達は、何個も何個もその爆弾を落とすので、町が大の海になってしまい、私は頭を抱えながら疎開先まで逃げ帰った。

その途中、赤ん坊を負んぶしている人々、リヤカーを引いて野菜を運んでいる人等が居たんだけど、その人達はどうなったのかなと恩うと、心配で心配でたまらなかったけど、青森の町が焼かれているのをはっきりと高台から見てしまった。その反面、つくづく子供達を疎開させて良かったと恩いましたよ。(聞き書き:張山喜隆)